オーダースーツの値段の差って何?安い・高いの“違い”を正直に/オーダースーツ 福岡/VITA DESIGN 博多 久留米

コラム

こんにちはレディースフィッターの仲村です。

「オーダースーツって、なんで価格がこんなにお店でちがうのですか?」
これは、お客様から一番よくいただく質問のひとつです。

ネットで調べると、数万円から数十万円まで幅が広い。
同じ“スーツ”なのに、なぜここまで価格差があるのか。
そして、何を基準に選べば失敗しないのか。

今日は、できるだけ分かりやすく、でも“売りたいから”ではなく、
本当に納得して選べるように「価格の差が生まれる理由」と「選び方」を正直にまとめます。


まず結論:高いほど正解、ではありません

いきなり結論ですが、オーダースーツにおいて
「高い=正解」「安い=ダメ」ではありません。

正解はひとつで、
目的とライフスタイルに合っているかです。

例えば…

  • 週5で着る営業職の方

  • 月1〜2回の会食や式典がメインの方

  • 30代で体型が変わりやすい方

  • 役職が上がって“見られ方”が変わった方

同じスーツでも、必要なスペックが違います。
必要なところにきちんとお金が乗っているか。
逆に、必要ないところにお金をかけすぎていないか。

ここを整理できると、価格の幅に振り回されなくなります。


オーダースーツの価格差の正体は「4つ」

オーダースーツの値段が変わる理由は、だいたい次の4つです。

1)生地
2)仕立て(工房・工程)
3)フィット調整の精度
4)アフター(調整・保証・相談)

ひとつずつ、噛み砕いていきます。


① 生地:価格差が一番分かりやすいところ

オーダースーツの価格を見たとき、まず差が出るのが生地です。
ただし、“高い生地=えらい”ではありません。

生地の価値は、派手さよりも実は以下で決まります。

  • 耐久性(毛羽立ち・テカり・毛玉になりにくさ)

  • シワの戻り(座りジワ、移動が多い人ほど差が出る)

  • ハリ・コシ(立ち姿が整う)

  • 季節性(春夏なら通気性と透け感のバランス)

  • 色の深み(同じネイビーでも“品”が違う)

例えば、毎日着る人は「見た目」より先に
傷みにくさ・復元力が効いてきます。
逆に、たまにしか着ない人は、そこまで“耐久性全振り”にしなくてもいい。

生地選びは、ライフスタイルで最適解が変わります。


② 仕立て(工場・工程):価格差の“中身”はここ

次に差が出るのが仕立て。
同じ生地でも、縫製や工程で着心地・立ち姿が変わります。

ここは専門用語が増えがちですが、要点だけ言うと、

  • どの工場で、どの工程をどれだけ丁寧にやっているか

  • ハンドメイドの工程数が違う
  • 芯地・副資材の質(型崩れしにくさ)

  • アイロンワークや立体感(肩・胸・背中の見え方)

「高級仕立ては、着た瞬間はもちろんですが、着続けた時に差が出る
この表現がいちばん近いです。

最初は綺麗に見えても、着ているうちに
肩が落ちる/襟や背中が波打つ/パンツがねじれる
などが起きると、結果的に“安っぽく”見えてしまう。

仕立ての価値は、見えないところで効いてきます。


③ フィット調整の精度:オーダーの本質はここ

オーダースーツの魅力は「自分の体に合わせられる」こと。
でも実はここにも、価格差が出ます。

ポイントは、「採寸した」ではなく
どこまで“姿勢・体型の癖”を読み取って反映できるか

例えば、こんな違いが出ます。

  • 左右の肩の高さが違う

  • 反り腰で背中が浮きやすい

  • 腕が前に出やすい(デスクワーク)

  • 太ももだけ張る、ふくらはぎが強い

  • お尻の丸みでパンツが引っ張られる

ここを拾えると、立ち姿が整い、疲れにくくなり、
結果的に「品」が出ます。

逆に、フィットが甘いと、
せっかくオーダーなのに「既製っぽく」見えることもある。
ここが“オーダーの価値が出る/出ない”の分かれ目です。


④ アフター:実は“安心料”が含まれている

最後がアフター。
ここは見落とされがちですが、価格差の中身として大きいです。

  • 体型が変わった時の調整

  • 着用して初めて分かる違和感の微調整

  • パンツのウエスト・渡り・裾の変更

  • メンテナンスや取り扱いの相談

スーツは、仕立てた瞬間がゴールではなく、
着てからがスタートです。

特に春は、異動・転職・挨拶回りなどで着用が増える季節。
そのタイミングで「少し直したい」が出やすい。
この“直せる安心”があるかどうかで、満足度が変わります。


初回で失敗しやすいポイント

ここからは、はじめての方がやりがちな“もったいない失敗”を3つ。

1)用途が曖昧なまま作る

「なんとなく良さそう」で作ると、
出来上がってから「場面に合わない」が起きます。

  • 仕事用なのに細すぎて動きにくい

  • TPOに合っていない

  • シワが目立つ

最初に決めるべきは、デザインより用途です。

2)オプションを盛りすぎる

初回ほど、つい盛りたくなります。
でも、“上質”は装飾ではなくバランスで出ます。

  • ボタンや裏地にこだわるのは楽しい

  • でも優先順位は「サイズ感・生地・仕立て」

見える部分の完成度が整ってから、遊びはあとで十分です。

3)「価格だけ」で判断する

安さだけ、高さだけで選ぶと、
自分の生活に合わない可能性が高くなります。

週5で着る人が、たまに着る用の生地を選ぶ
月1の人が、耐久に振りすぎて“重さ・暑さ”を感じる
どちらも“損”になりやすい。


じゃあ結局、いくらがいいの?の考え方

答えは「予算」ではなく、先にこの3つを整理するのが正解です。

1)着用頻度(週何回か)
2)用途(仕事/式典/会食/営業など)
3)求める印象(信頼感/柔らかさ/品/若々しさ)

これが決まると、
「どこにお金をかけるべきか」
「削っていい部分はどこか」が自然に見えてきます。


最後に:予算があっても、なくても、“正解”は作れます

オーダースーツは、ただ高いものを提案するためのものではありません。
今の生活に合った一着を、無理なく作るための選択肢です。

VITA DESIGNでは、最初にしっかり用途とご予算を伺い、

  • 生地

  • 仕立て

  • サイズ感(癖の補正)

  • アフターまで含めて
    “納得できる最適解”をご提案します。

「何が違うのかを知った上で選びたい」
「失敗したくない」
「春に向けて、印象を整えたい」

そんな方は、お気軽にご相談ください。

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