年末年始の挨拶回り、スーツの身だしなみは“清潔感”が9割/オーダースーツ 福岡/VITA DESIGN 博多 久留米

コラム

こんにちはレディースフィッターの仲村です
年末年始は、挨拶回り・会食・親戚の集まりなど「人に会う予定」が一気に増える時期。
久しぶりに会う方、初めてご挨拶する方、目上の方。
そんな場面では、スーツの良し悪しよりも先に“身だしなみ”そのものが名刺になります。

ここで最初に大事な前提をひとつ。

既成スーツでも、サイズが合っていれば問題はない

スーツは「オーダーじゃないとダメ」ではありません。
製品でもサイズさえ合っていれば、十分きちんと見えます。

ただし
スーツは普段着と違って、細かい“作法”や“ルール”がある服。
知識がないまま着てしまうと、本人が気づかないうちに恥ずかしい状態になっている可能性が高いんです。

たとえば、街中で意外と見かけるのが

  • しつけ糸が付いたまま(ベントやポケットが閉じられている)

  • 袖のロゴマーク(ブランドタグ)を付けたまま歩いている

本人は普通に着ているつもりなのに、周りから見ると「買ったまま着てるんだな…」
と伝わってしまう。
年末年始の挨拶回りは“会う人の幅”が広いからこそ、ここは押さえておきたいポイントです。


1)あるある失敗①:しつけ糸を付けたまま着ている

新品のスーツには、型崩れ防止のために糸で仮止めされている部分があります。
特に多いのが

  • ジャケットのベント(背中の切れ込み)

  • ポケット(フラップや胸ポケットまわり)

  • パンツの後ろポケット

このしつけ糸は、基本的に着用前に外すもの。
付いたままだと動きづらいだけでなく、見た目にも「不自然さ」が出やすいので要注意です。


2)あるある失敗②:袖のロゴ(ブランドタグ)を付けたまま外を歩く

袖口についているロゴマーク(タグ)は、基本的に外して着る前提のものです。
(海外で“あえて残す”文化が語られることもありますが、日本の式典やビジネスでは外している方が自然です。)

挨拶回りは名刺交換や会釈などで、袖口が目に入りやすい場面。
「そこだけ新品感が強い」という状態になりやすいので、一度チェックしてみてください。


3)あるある失敗③:ポケットが縫われたまま(仮縫い)

ポケットの入り口が、糸で軽く縫い閉じられているケースがあります。
使う予定があるなら外してOK。使わないなら無理に開けなくてもOKですが、
“糸が見えている状態”だけは避けたいところです。


4)年末年始の挨拶回りで効く、身だしなみチェック(順番が大事)

身だしなみは、全部を完璧にするより「見られる順」で整えるのがコツ。
挨拶の場で一番見られるのは、スーツ全体より顔まわりです。

A. 顔まわり(最重要):シャツ・襟・ネクタイ

  • 襟が黄ばんでいないか/くたっとしていないか

  • 首回りがきつすぎないか(第一ボタンが苦しいと表情も固く見えます)

  • ネクタイの結び目が歪んでいないか

  • ネクタイの長さが短すぎ・長すぎになっていないか(ベルトに少しかかる程度が目安)

「高いスーツを着てるのに、なぜか決まらない」方は、だいたいこのゾーンが原因です。
逆に、ここが整うだけで全体がきれいに見えます。

B. ジャケット:肩のホコリと“膨らみ”を消す

  • 肩にホコリが乗っていないか(ネイビー・ブラックは特に目立ちます)

  • ポケットに物を入れて膨らんでいないか(スマホ・鍵・財布でラインが崩れます)

  • ボタン糸がゆるんでいないか/糸が出ていないか

出発前に軽くブラッシングするだけで、印象が一段上がります。

C. パンツ:丈・シワ・膝が“清潔感”を作る

立ったり座ったりが多い挨拶回りでは、パンツの状態が意外と目立ちます。

  • 裾が溜まりすぎていないか(長すぎは野暮ったさが出ます)

  • 座りジワが強く残っていないか

  • 膝が抜けて“だらしなく”見えていないか

「体型は変わってないのに野暮ったい…」は、丈や太さの影響が大きいことも多いです。

D. 靴:高級かどうかより“状態”

挨拶回りで足元は見られます。
高級な靴じゃなくても、状態が整っていれば十分。

  • つま先が白っぽくなっていないか

  • かかとがすり減りすぎていないか

  • 靴ひもが汚れていないか

  • 靴下が薄くなって透けていないか

時間がない日は「乾拭き→少量クリーム→乾拭き」だけでもOKです。


5)年末年始の“やりがち”注意:クリーニングのビニールつけっぱなし

これ、本当に多いです。
クリーニングのビニールは運搬用なので、つけっぱなしにすると湿気がこもりやすく、スーツが傷みやすくなります。

  • 帰ったらビニールは外す

  • 風通しの良い場所で半日〜1日陰干し

  • そのあとクローゼットへ

挨拶回りで連日着る時期こそ、これだけでスーツが長持ちします。


6)出発前30秒で整う“最終チェック”

最後はここだけ。挨拶前の30秒で差が出ます。

  1. 襟・ネクタイ(結び目、長さ)

  2. 肩のホコリ

  3. パンツのシワと裾

  4. 靴のつま先

  5. 口元(マスクを外す場面もあるので意外と大事)

この5つで、年末年始の印象はかなり整います。


7)「着れる」と「似合う」は別。年末年始こそ“整え直し”が効く

もし今、こんな感覚があるなら要サインです。

  • 去年のスーツ、なんか決まらない

  • 久々に着たら窮屈(またはダボつく)

  • パンツ丈がしっくりこない

  • シャツの首回りが合わない

スーツは“着れる”だけだと、どうしても野暮ったさが出やすい。
でも、少し整えるだけで一気に印象が変わるのがスーツの良いところです。

年末年始の挨拶回りは、スーツの価格よりも“清潔感と整え方”で印象が決まります。
既成スーツでも、サイズ感とポイントさえ押さえれば十分きちんと見えますので、
ぜひ出発前に一度チェックしてみてください。

「丈感が合っているか分からない」「しつけ糸やタグ、どこを外すのが正解?」など、
少しでも不安があれば、スーツの状態チェックだけでもOKです。
ぜひご自宅でやってみてくださいね!

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