色彩調和の歴史 /オーダースーツ 福岡 ヴィータ デザイン

色彩調和とは

人々の心を打つ魅力的で美しい配色について、古代から研究されており、モナ・リザの作者で著名なレオナルドダヴィンチ(「光学」1704年著書)

やゲーテ(「色彩論」1804年著書)らも取り組んでいるが、本格的に研究が始まったのは、19世紀後半から20世紀初頭である。

シュブルール

1786年~1889年 フランス 科学者 ゴブラン織製作所所長

染色や織物の混色を通して色彩の研究を始めた。
「色の対比現象」を発見。
19世紀の本格的な色彩調和論の提唱者としてのパイオニア。
印象派の画家(モネ、ルノワール、ピサロ、シスレー)に影響。
その対比理論から新印象派(スーラ、シャニック)の「点描画法」が生まれた。

ルード

1831年~1902年 アメリカの自然科学者

自然界を観察し、その色の見え方に着目して色彩調和理論を導きだす。
「現代色彩学(モダン・クロマティック))を著述。
光学的な視点からの色彩論のパイオニア。
補色、色覚の原理、混色の法則、色彩調和について述べる。

「兵士の着ている緋色のコートが日向では黄みの赤に、日陰では赤色に見える。
草の葉は日光に包まれたところは黄みの緑の色相に、日陰では青みの緑に見える。
これらは不快な効果を生むものではない。

配色を自然界の法則に従い、黄の色相に近い色相を明度を高く(明るく)、
青紫の色相に近い色相を明度を低く(暗く)すると、人間が最も馴染む快い配色調和になる
(ナチュラルハーモニー)と提唱した。
このような考え方を「色相の自然連鎖」「色相の自然序列」「色相の自然な明度比」
そして、この配色の方法を「ナチュラルハーモニー」という。

オストワルト

1853年~1932年 ドイツ 科学者 色彩学者
1918年、「色彩の調和」を著述。
「調和は秩序に等しい」
美しい色彩調和には、何らかの共通項がある。
オストワルトの考案したカラーシステムは、規則的な位置関係にある色同士の配色が必然的に調和するように作られているため、デザインや建築の分野で活用されている。

ムーン&スペンサー

ムーン スペンサー夫婦 アメリカ 色彩学者
レオナルドダヴィンチ、ゲーテ、マンセル、オストワルトなど先人たちの「色彩調和論」を研究し、
それらの理論から普遍的な原理を探求。
1944年、アメリカ光学会において、独自の色彩論を発表。

快く美しい色彩調和は、色差が不明瞭でないこと
マンセルカラーシステムと対応させた独自のオメガ空間において、色相、明度、彩度の各々が同一、類似、
対比の位置関係にある色同士は快い配色で、曖昧な位置関係にある色同士は不快な配色であると定義した。

<快い組み合わせ>
同一・類似・対比

<不快な組み合わせ>
ごく似た色の不調和・やや違った色の不調和・極端に反対の色の不調和

※オメガ空間・・・色の三属性が知覚的等歩度性をもつ円筒型の色空間

ジャッド

1900~1972年 アメリカ 色彩学者
先人たちの研究をまとめた色彩調和論を1950年に発表。

1.秩序の原理(秩序性)
規則的に選ばれた色同士は調和する。
2.なじみの原理(親和性)
自然界の色彩のように、見慣れた配色は調和する。
3.類似性の原理(類同性)
共通性を持つ色同士は調和する。
4.明瞭性の原理(明白性)
曖昧さがなく、明快な関係にある配色は調和する。