一生をお洒落に費やした完璧なるダンディー
Beau(ボー)とは「洒落者」という意味で、本名はGeorge Brummell(ジョージ・ブランメル)である。
現在の紳士服の基本となる「ダークスーツ」の原型を作った人物である。
200年ほど前、その当時の英国紳士の服装はとにかく派手だった。
花模様に真珠をちりばめたベスト、大粒のルビーの付いた羽帽子、靴は全て宝石で覆われていた。
そんな中、「お洒落は目立ってはいけない」というお洒落哲学を持つブランメルは、控えめなエレガンスを説き、
英国皇太子(ジョージ4世)に黒とダークブルーの服を着せた。
上流階級の紳士たちはすぐに皇太子とボー・ブランメルを模倣し、黒を基調とするダークトーンの服を愛用するようになっ
た。
それ以来、シックな装いこそが紳士服の規範として重んじられるようになった。
その他にも、当時は見せかけの華やかさとは裏腹に、清潔に対する認識が低かったことに対してブランメルは、
清潔であることを何よりも重んじ、毎日の入浴、朝の歯磨き、そして髭剃りを欠かさなかったという。
靴の艶出しにも贅沢にもシャンパンを使い、シャツの白さを保つために清水で洗濯させていたという。
彼が実践したダンディズムの哲学は、ウェルドレッサーに求められる身だしなみの重要性を強調し、
世界中の男性に意識革命をもたらした。
そんな彼が憧れた詩人バイロンが、「ナポレオンよりもブランメルになりたい」
と語ったことは有名なエピソードだ。
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