ジングルとダブルの違いとは
スラックスの裾を折り返さない仕上げ方を「シングル」、折り返す仕上げ方を「ダブル」と言います。この呼び方は和製英語で、正式な英語では、シングルが「plain bottoms」、ダブルが「cuffed bottoms」または「turn up」です。シルエットがすっきりしているシングルには、軽やかでスタイリッシュなイメージがあります。一方、ダブルの裾上げには重厚感があり、クラシックな印象を与えます。
【豆知識】
日本では、ビジネススーツの裾上げはシングルが主流となっていますが、ビジネスではシングルでなければならないという決まりがある訳ではありません。
実は、欧米などでは、ダブルの裾上げが多いです。
ダブルの起源
20世紀のはじめに英国の貴族がニューヨークで行われる結婚式に参加するため会場に向かっている道中で突然の雨に見舞われ、裾が濡れたり汚れたりするのを防ぐためにスラックスを折り返したまま会場で戻すのを忘れてしまった。それを見た参加者が”これが流行スタイルなのか”と勘違いをして定着したという説。書籍によっては、舞台がイギリスであったり英国貴族ではなくマッキンリー大統領であったりとバラツキがある。
ダブルの適切な裾幅とは
ダブルで仕上げるのであれば、幅は「3.5cm〜4cm」の幅がオーソドックスと言われております。
昨今のトレンドの幅としては、少し太めの「4.5~5.5cm」になります。
ただ、太い幅にする場合には、全体のバランス、身長、スーツのスタイル(シングル、ダブル、柄)のバランスを取ることが重要になります。
ダブルの仕立ての種類
ホックと、糸どめの2種類の方法がありますが、一般的に糸どめがスタンダートになります。
また、ホックは埃などが溜まった時に、掃除がしやすいのが違いの一つになります。
モーニングカットとは
シングルとダブル以外に「モーニングカット」という裾上げもあります。モーニングカットとは、裾の前方を短く、後方を長くする仕上げ方のことです。モーニングカットで仕上げれば、スラックスの裾が靴の甲に乗ってたるむことがないので、美しいシルエットを保つことができます。昼間の正礼装であるモーニングコートのコールパンツがこの方法で裾上げされることが呼び名の由来です。